環境整備を実施する際、特に重要なのはベッド周りです。患者の状態に合わせて、適切な環境整備を実施しましょう。
患者の体格はそれぞれ異なるので、ベッドの高さを調節する必要があります。ベッドの端に座った際に、かかとが床から浮かない高さに調節してください。これより高いと、転倒するリスクが格段に上がります。また、低すぎても床に立つ時の負担が大きくなってしまいます。ベッド柵の高さに対するマットレスや布団の暑さも確認しましょう。マットレスが厚すぎると、患者が寝返りをした際に転落してしまいます。
ベッドネームやネームバンドの確認も必須です。患者の誤認は大きな事故につながります。医療行為の前には必ずベッドネームを確認するため、間違わないように注意してください。容態が急変した際に、ナースコールをすぐに押せるように患者の手元に置くことも忘れてはいけません。
ベッドの高さについては、手動あるいはリモコンで調節します。ベッドからストレッチャーへ移乗する際は、都度高さの調整をして安全性を確保しましょう。ベッド柵については、患者が側臥位の寝姿勢になった際に、身体の中心線より高くなるように調整します。その際、ベッドが不意に動くと、事故や怪我につながります。そのため、ベッドを動かす時以外は必ずストッパーをかけてください。なお、ベッドの四隅にある車輪が全て異なる方向を向いた状態でストッパーをかけると、外部から力が加わっても動きにくくなります。
枕や布団のズレや落下を防ぐために役立つのが、ヘッドボードやフットボードです。これは、伝い歩きをする際の手すりにもなります。着脱式のボードを使用する際は、定位置に固定されているか必ず確認してください。食事の際に使用するオーバーテーブルは汚れやすいので、清潔な状態を保ちましょう。配膳した状態で高さを調節すると食事の重みで一気に沈む可能性があるので、何も乗っていない状態で操作してください。
用具やテレビなどを置く際に使用する床頭台ですが、患者がこれを支えに歩こうとして転倒する可能性があります。そのため、床頭台のキャスターも普段はストッパーをかけておきましょう。なお、床頭台の整理整頓は患者本人やご家族が行うため、整頓の方法をアドバイスしてあげるといいでしょう。
通常、ベッド周りにはお見舞いや付き添いの人のための椅子が用意されています。複数の患者が入院している部屋の場合、1人の患者が室内の椅子を独占しているケースもあるので、その場合は声をかけて正しく使ってもらうようにしましょう。
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